22年ぶりの薬剤師復帰も、私らしく。

50代、人生まだまだ先は長いです。これからの日々をどんなふうに重ねていくか?気になっている私たちは、連載[私たちのリスタート]を開始しました。第2弾は、22年間のブランクを経て薬剤師に復帰したYさんにお話をおききしました。

出産をきっかけに調剤薬局の薬剤師の仕事をやめて子育てに専念。その後、50代になってから調剤薬局でのアルバイトを始めたというYさん。
仕事を辞めてから時間がたっていますが、職場復帰に不安はなかったのでしょうか?

リスタート

チャレンジしている友だちをみて

「娘が大学生のときは一緒に旅行などを楽しんでいたのですが、就職してしまうとそれもできなくなるなぁと。最初はこのまま老後生活に入ってしまうのだろうなと思っていました。」

「でも、新しい仕事にどんどん挑戦している友達が身近にいて、それに刺激を受けたんです。ある友人は仕事をパートじゃなくて、アルバイトって言ってたのが新鮮でした。アルバイトなら前向きな印象があって。
もう一回就職するという気持ちはなかったのですが、アルバイトならいいかなって思いました。」

前と同じ仕事なら?

確かに主婦はパート、学生はアルバイトと分けてしまっている印象はありますよね。お仕事はどんな風に探したのですか?

「私に何ができるか?というのを考えてみました。全然したことのないことに挑戦する勇気はなかったです。
若いときに勤務していた調剤薬局ならできるかなって思い、薬剤師専門の就職紹介サイトで探してみました。
家から比較的近い調剤薬局があったので、応募してみました。筆記試験はなく、面談だけ。わりとすぐに決まったのでびっくりしました。今は薬剤師も人手不足なのかもしれません。」

ひさしぶりの猛勉強

22年ぶりの薬剤師のお仕事。ブランクに不安はなかったですか?
「就職が決まってから、すぐに勉強を始めました。薬の種類は増えていますし、処方箋の書き方なども変わっているようでした。
復帰する前も勉強しましたが、仕事を始めてからの方がもっと勉強したくらいです。本は合計10冊くらいは買ったでしょうか。学び直しのための本のほか、最新の薬や診療にまつわる専門書です。
実は、薬剤師の仕事はいつでもできるだろうって思っていたんです。でも、体力の衰えを感じたり、なにより新しいことを覚えるのに時間がかかることが驚きでした。
職場がeラーニングの講座を受けさせてくれたので、頑張って学習して認定薬剤師の資格も取りました。」

進化したツールに感動

久しぶりの現場は変わっていましたか?
「薬歴の書き方や指導の仕方などが変わっていて、仕事が増えているという印象ですね。便利な機械ができていたのが驚きでした。
例えば、薬を分包するとき、シートから薬を一気に出してくれるパラスターという機械が便利で感動しました(笑)」

リスタート

「ほかにも、調剤の間違いを防ぐための機械が導入されていました。
薬の裏面のコードを読み込んだら、処方箋に記載の薬と一致するかどうかを、ピンポン/ブーの音で知らせてくれます。こういう機械があるので、薬剤師ひとりでも調剤薬局を担当しても安心なんです。」

リスタート

50代の私がここにいる意味

まわりの方々の反応はどうですか?
「この調剤薬局では、社長以外はみんな女性です。50代〜60代の女性、子育て世代の女性など。何でも聞いてくださいって言ってくれるし、何度でも同じことを聞いてもいいよって言ってくれます(笑)
夫は反対はしなかったけど、体調が悪いときなどは無理しないでと言ってくれます。前よりも家事をしてくれるようになりました。」

リスタート

これからも続けていきたいですか?
「そうですね。無理のない範囲で続けていければいいなと思っています。若いときとは働くことの心構えが変わったような気がします。もちろん楽しいことばかりではありませんが、患者さんが喜んでくれるのがうれしいです。
高齢の患者さんにとって、50代の私は親近感がわくみたいなんです。私のようにゆっくり喋る薬剤師の方が、薬のこととか質問しやすいみたいで(笑)。そんな時、とくに必要とされているなぁと感じます。」

長年のブランクにもめげず、再び薬剤師という仕事についたYさん。努力したことも軽やかに受け止められているように感じました。取材チームも自分なりに頑張っていこうとこれからの日々に勇気をもらいました。

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