ミナ ペルホネン/皆川 明 つづく展 レポート
兵庫県立美術館で開催されている「ミナ ペルホネン/皆川 明 つづく」を見てきました。
皆川明さんは、オリジナルの生地から洋服をつくる独自のものづくりを繰り広げているデザイナー。その活動範囲は、洋服だけでなく、挿絵・陶芸・食器・家具・建物などへと広がっています。その創作の世界を体験できる展示会が「つづく」。2019年の東京に続き、2020年は神戸で開催されています。
階段を登ると、そこは展示室の入り口。ミナ ペルホネンから生まれた布地が天井まで連なっていました。
今回の展示、一部は写真撮影がOKになっていました。
こちらは「森」。「洋服の森 pieces of clothes」です。
ミナ ペルホネンならではの織り、刺繍、プリントなどが施された洋服が天井まで6段に、ぐるり360°並んでいます。ゆっくり3周しましたが、全部見きれないくらいでした。
次の部屋は「芽」。
ミナ ペルホネンの生地のもととなった図案も展示されています。
鉛筆、絵の具、切り裂いた紙やガムテープなど画材も多彩です。発想の源は、ゆたかな自然の中から生まれているようでした。
一度、図案を見てから、洋服の森の展示に戻ると、今まで見えなかった模様が目に飛び込んできてビックリ。図案の「芽」と洋服の「森」を行き来するのはおすすめです。
下記は生地からデザインした布の一例。左が図案、右が布です。この生地は「織り」で図案を表現しているようです。
谷川俊太郎さんと皆川明さんが作った絵本「はいくないきもの」の原画も展示されていました。アクリルに力強く描かれています。奥には壁画もおかれていました。皆川さんはアーティストですね。
皆川さんが中村好文さんたちと進めている小屋「shell house」のプロトタイプ。巻き貝の曲線をイメージして設計されたそうです。
芝生の上に「shell house」が並んでいる場ができあがったら素敵でしょうね。ぜひ泊まりに行ってみたいです。
ぬいぐるみの目の刺繍の仕様が細かく書かれている指示書です。ミナ ペルホネンのものづくりの丁寧さが垣間見えます。
ミナ ペルホネンは、流行に左右されず、長年着用できる普遍的な価値を持つ「特別な日常服」をコンセプトにものづくりをしているそうです。
刺繍、織物、染色などの作り手を大切にしていることも展示から伝わってきて、端布のひとつひとつまで、いとおしくなりました。
「ミナ ペルホネン/皆川 明 つづく」兵庫県立美術館で2020年11月8日(日)まで開催されています。お近くの方はこの機会にご覧くださいね。