親の介護。ケアマネに本当の年金額を言わない方がいい理由
親が老人ホームに入居する際、手続きの途中で年金額を聞かれることがあります。
ケアマネが計画書を作る際に、どれくらいの自己負担ができるのか?を把握するために質問されます。
そんなとき、どうしたらいいでしょうか?
ズバリ、もらっている年金額より、少なめに言うのがポイントです。
親の老人ホーム入居手続きをしたときの経験から、私が気づいた大切なポイントです。
<まとめ>
●年金額をケアマネに伝える時は、少なめに言うのがポイント。
●年金が多い人は多いなりに、少ない人は少ないなりに、書類が作成されているようだと感じた。
●受取年金額を証明する書類を提出する必要はない。
親の年金額を、どうやって把握する?
そもそも、年金は1本にまとめて振り込まれるわけではありません。
私の親の場合、転職をしていたので国民年金、厚生年金、共済組合の3つの機関から振り込まれていました。
それぞれの機関から年金額の連絡の郵便は来ますが、「毎月××円ですよ」というようなわかりやすい書類ではありません。何を書いているのかよくわからない書類ばかりです。
私は、口座に振り込まれた金額を見てはじめて、年金額を把握するという感じでした。しかも2ヶ月ごとに振り込まれるから注意しないといけません。
公的な機関がまとめて年金額を把握してくれているわけではないのです。
年金額を聞かれる理由
親が老人ホームに入る場合、子供である自分だけでは手続きはできません。
介護保険を利用しますので、ケアマネジャー(ケアマネ)に計画書を作ってもらう必要があります。
そもそも老人ホームを自分で探す知識や人脈はないので、老人ホーム探しにケアマネの力を借りる部分は大きいです。
老人ホームにもいろいろな種類があるため、一概には言えないかもしれませんが、私の親の場合は、介護4で老人ホームに入居しました。
歩行器を使えば自分で歩けます。ご飯は自分で食べることができます。
介護保険を使って、デイサービス、歩行訓練の訪問リハビリなどの様々なサービスを利用することになります。
一方、家賃とか、食事代、洗濯代、電気代などは自己負担となります。
介護保険のサービスをフルで活用しながらも、結構な金額の自己負担額を払わなければならないのです。
だから、払える自己負担額がどれくらいかをケアマネが把握していないと計画書が作れないのだろうと思います。
計画書を変更してもらったとき、わかったこと
親の介護の計画書を提案されたとき、自己負担額が年金を超えてしまう心配があったため、修正を依頼して、計画書を作り直してもらいました。
その際、介護サービス内容はまったく変わらないのに、自己負担額だけが減った計画書が提示されました。
親が入居した老人ホームの場合、日中はホールで集まって過ごしているので、それをデイサービスの時間として計画書に記載します。
その時間の長さによって全体の金額が変わってきます。例えば、デイサービスの利用時間を一日6時間とするか、一日2時間するかによって、介護計画の合計額がまったく変わるのです。
結局、ケアマネは、年金額が多ければ多いなりの計画書を、少ないなら少ないなりの計画書を作ってるのでは?と疑心暗鬼を持ったというわけです。
ホントの年金額を言わなくて正解
老人ホームに入居すると、光熱費、洗濯代、おむつ代など、別の経費が請求されます。
少なめの金額を言っておかないと年金で払いきれない事態になる可能性があります。
ところで、もうひとつ、知人のケースをご紹介します。
月12万円で病院へ入院している歩行困難な高齢者さんの場合、実際の年金額は月9万円だったので、差額の3万円を親類が負担していたそうです。
その負担が苦しいので別の病院へ移ると申し出たところ、部屋を替われば同じ病院内でも月9万円でいられることになったそうです。
こちらは本当の年金額をいうと利用料が安くなった例ですね。
このような感じで、周囲の介護事例をきいていると、年金が多い人は多いなりに、少ない人は少ないなりに、それぞれ合うところへなんとか入居できるのだろうなと思いました。
もちろん、地域や時期にも差はあると思いますが、私の親が2020年に老人ホームに入居した時点ではそのように感じました。
50代の私たちにとって、本当に未体験なことの多い介護問題。
とりあえず「年金額は少なめに言う」ことだけは頭の隅に置いてくださいね。