すべり症
もうすぐ80歳になる母が、数年前から足腰に痺れるような痛みを感じていて、いわゆる「すべり症」という症状のようです。
対処法・治療法について、医師のK先生に聞いてみました。
すべり症とは何ですか?
腰の脊椎が前後方向にずれて、腰痛や脚の痛みが出てくる状態です。
残念ながら、すべり症は自然に治る可能性は低いのですが、投薬や手術で症状が楽になることは期待できます。
腰や脚の痺れ・痛みで困っている人は、一度、整形外科の医師に相談するといいでしょう。
運動療法はありますか?
すべり症の自体は治療では治りませんが、神経症状なら改善が期待できます。 次のような運動を試してみるのはどうでしょうか?
- 仰向けに寝て、手脚を大の字にして伸ばします。
- 仰向けに寝て、両膝を軽く曲げて両脚とも右に倒します。
この時、頭は左を向けます。
続いて両脚を左に倒して頭は右に向けます。 - 仰向けに寝て、右膝を両手で抱きしめて太ももの前面が胸につくぐらい引き寄せます。
この時に左脚は伸ばします。続いて反対側もしましょう。 - あぐらをかいて、背筋を伸ばします。その状態で身体を前に倒していきます。
痛み止めを飲み続けて大丈夫ですか?
痛み止めには大きく分けて2種類あり、捻挫(ねんざ)や頭痛など急性期の痛みに使うものと、神経痛など慢性期の痛みに使うものがあります。
前者は長期間服用すると胃もたれとか胃炎、最悪の場合は胃潰瘍や胃に孔が開くなどの副作用が出ることがあります。胃酸の出るのを抑えたり、胃の粘膜を守る錠剤も同時に出されていまるのはそのためです。
消炎鎮痛剤なら胃潰瘍になるリスクがあることは覚えておきましょう。
中には、強い痛み止めを1日に3回、何ヶ月も服用しても何ともないという人もいますから、個人差はありますね。
一方、慢性型の痛み止めは、痛みが脳に伝わるのをブロックするので、いわゆる中枢神経に何らかの変調をもたらします。主な症状としては、眠気やふらつきです。これも服用する分量に依存するので、まずは少量から始めて、痺れが改善すればよし、効果がなければ医師と相談しながら徐々に増やしていきます。いわゆる匙加減ですが、高齢者の場合は腎機能が落ちているから、薬剤が蓄積してしまい効果が強く出過ぎる恐れがあります。 ふらつきによる転倒や日中にぼーっとしてしまう危険もあるので、頭の片隅に入れておきましょう。
東洋医学などはどうですか?
指圧・針治療・マッサージ・カイロプラクティックなどいろいろありますが、本人が試してみて症状が良いと感じるのであれば、利用するといいと思います。
まずは整形外科などの医師と相談して、それでも改善が見込めなければ東洋医学やカイロプラクティックなどに相談してみるといいのではないかと思います。たとえ大きな改善がなくても、その施術を受けた日だけでも症状が楽になるのであれば、個人的には利用する意味があると思いますね。